CASE STUDY

事例紹介

2021.2.22

福岡教育大学附属小倉中学校研究成果報告会
公開授業レポート

2021年2月22日、福岡教育大学付附属倉中学校にて、令和元年度・2年度、文部科学省委託事業「これからの時代に求められる資質・能力を育むカリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究」の研究成果報告会がオンライン配信されました。

この調査研究では、「KAMIKURU(カミクル)」プロジェクトの一環として、エプソン販売株式会社、障がい福祉サービス事業所を運営するNPO法人わくわーくと共同で、プロジェクトの告知アイディアやアップサイクルアイテムの企画を進めています。

英語、国語、保健体育、各教科に関連付けたカリキュラムで進められた一年生の授業の様子を紹介します。

1年A組 英語科 Let’s talk about our ideas! [授業者]村上 智美教諭

SDGsの目指す『誰ひとり取り残さない』を念頭に、外国人に向けてアップサイクルアイテムをどのように告知・訴求していくのかについて、CMや映画などの題材を用い、英語と日本語で表現にどんな違いがあるかを学びながら取り組みました。

各班が発表したプレゼンに対し、他の班のメンバーが気づいたことをどんどん発表し、良いところや伝わりにくいところについて、活発な意見交換が行われます。

他のグループが作ったPR文やリスニングCDを聴いて、自分たちの英語表記について改善点などを加えていきます。

生徒からは「商品内容をそのまま表現するよりも、もっと感情を伝える感嘆文などの文法を使った方が相手に伝わりやすいと思いました」などの感想が次々とあげられました。

1年B組 国語科 さまざまな表現技法 [授業者]小樋 杏奈教諭

国語科では、各班が提案する「KAMIKURU」プロジェクトについての説明書を、様々な表現技法を用いて作成します。

各班にはそれぞれ『読む人の目につくようなインパクトのある小見出しを考えよう』などのめあてがあり、表現技法を取り入れた文章を考える過程の中で対話型論証モデルをモチーフにしたワークシートを取り入れています。

意見交換には対話型論証モデルを使用しているため、改善点や問題点がより明確になるようで、どの生徒も生き生きと自分の意見を述べ、感想を言いあい、より伝わりやすい表現にするにはどうしたらよいかを話し合っていました。

何が伝わり、何が伝わらなかったのかという意見を聞いて、最後に自分たちの表現技法を完成させます。「いかに相手に伝えるか」について生徒たちが真剣に考えている姿勢がとても印象的でした。

1年C組 保健体育科 ダンス [授業者]藤田 政洋教諭

ダンスを用いたプロモーション用のCM制作に向け、グループ同士のミニ発表会を行いました。 各班の代表が、(1)コンセプト、(2)伝えたいこと、(3)ポイントをそれぞれ発表し、班ごとに分かれて最終調整を行った後にダンスを披露。緊張からか、はじめは動きがぎこちない班もありましたが、徐々に場の雰囲気にも慣れ、思い思いの動きでアップサイクルアイテムの魅力を表現していました。

その後、互いに良かった点・改善点の意見交換を行い、伝わりにくかった部分の動きを変えて再度発表しました。最後の振り返りでは生徒から「自分たちでは気づかなかったところに気づくことができ、次はもっといいダンスができると思います」という声も聞けました。次の授業では実際に生徒たちがダンスを撮影・編集し、CMを作成します。完成したCMをぜひ見てみたいですね。

学年別授業協議会

公開授業の後は、学習に臨んだ生徒自身の振り返りを聞く授業協議会が行われました。

授業者と参観者とで行う協議会が一般的ですが、学びの主役である生徒にとって授業がどうだったか、また今後生徒自身がどのように学び進めていきたいのかを共有して、これからの授業づくりに生かすことを目的としている点が特徴的です。

研究部長の柴田康弘教諭は、「KAMIKURU」プロジェクトを通じて、市民としての中学生がどのように参画し貢献できるかが大きな柱。この報告会は、研究の成果を様々な地域・学校で使っていただく、ということを第一に掲げており、次の3点を提案していきたいと語ります。

1点目は『子どもの“ガチ”を引きだそう!』。教室を越えた社会における『ガチ』な、『マジ』な学びを目指す。
2点目は『教科の壁を越える』。社会のリアルな課題は教科で分かれてはいません。ガチな学びは様々な教科の連携を必然にする。
3点目は『それらを通じて社会を作る』。すなわちひとりの市民である中学生による社会実践としての学びです。未来志向の学びではこうした視点が不可欠。

こうした学びは面白い課題、良い授業計画だけでは決して成しえず、授業以外の場面での、側面からの学び支援も大切だと話しました。
また、取り組みの一環として、SDGs<持続可能な開発目標>をテーマに取り上げた今年は、北九州市の実施する環境首都検定を生徒会学習委員会の取り組みによって全校生徒で受験したことも報告しました。

続いて、生徒による授業の振り返りです。6名の生徒がそれぞれ今日の授業で感じたこと、学んだことを発表していきます。多くの先生や関係者、カメラの前に立ち緊張する中、皆さんしっかりと前を向いて、はきはきとした声で簡潔に自分たちの意見を発表しました。

どの生徒も総じて、自分たち以外の人の意見に気付かされることが多かった、改善に繋がったことを気付きとして挙げていました。もっと他の班との交流を増やしてほしいという意見もありました。また、「KAMIKURU」プロジェクトを通して、SDGsの大切さを知ったという声も多かったです。

その中で一番印象的だったのが、エプソン販売、わくわーくとの関わりを通じて、実際に自分自身が社会人として働いているようでとても新鮮だったという感想です。授業の枠を越え、生徒たちがそれぞれ大きな目標に向かって確実に成長していることを実感しました。これからの活動や取組、そしてその研究報告に大きな成果が期待されます。

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(紙の循環から始める地域共創プロジェクト事務局)

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